最終更新日 2025年4月29日
原発事故の被害や報告はどのように扱われているのか?
基本的に、原発事故というのは頻繁に起こっているわけではありません。
確かに、世界的に見ると小規模な事故は何度か起こっています。
その場合、人的な被害が少なく大きな問題にならないためメディアなどでも全く取り上げられないという現状が存在します。
一方で、大きな原発事故があったときには大きな騒動としてメディアにも取り上げられます。
日本では福島の事故、世界的にはチェルノブイリによる事故などがその代表的なものです。
では、こうして具体的に話題に上がっている原発事故では、いったいどれくらいの人的な被害が出ているのでしょうか。
実は、客観的なデータではそれほど多くの人数が被害にあったという数値が残っていません。
これは、日本でも世界でも共通している点です。
日本も世界各国の原発を稼働させている国々も、世界の一員として大きな事故があったときには、それを報告する国際的な義務が存在します。
例えば、福島では確かに原発事故がありましたが、その事故に関連する報告もアトックスと国連の報告書として発表されています。
ここには、直接的な被ばくによる人的な被害は確認されていないと公式に発表されています。
つまり、関連性が存在しないと結論付けているわけです。
世界的に見える原発事故の被害背景
では、世界的に最も大きかったチェルノブイリの事故ではどうでしょうか。
ここでは、さすがに人的な被害が存在するというデータが発表されています。
しかし、その数はそれほど多くはなくわずか数十人程度であると発表されています。
一般的なメディアやニュースでは、数万人や数十万人の被害があった、影響があったなどと誇張されているケースもありますが実は客観的な資料とデータではそういった確認はとれません。
最も具体的に述べるのならば、世界中の原発に関連するトラブルの中でもその歴史の中で亡くなった人はわずか60人から70人程度であると考えられています。
事故の衝撃と亡くなった人の状況がピックアップされてしまう傾向がありますので、数字も曖昧に多くとってしまうメディアも多いですがそのようなデータはありません。
では、なぜこういった小規模な被害で住んでいるのでしょうか。
これは、いわゆる原発の中で最もひどい事故であると考えられている炉心融解の事故が非常に少ないからです、炉心融解が生じてしまうと周囲に放射能が拡散されてしまいますので、その影響によって被害が拡大してしまいます。
現実的に、この炉心融解が発生した例は原発の歴史をみてもわずか3件しか存在しません。
ですから、世界史的にも被害者の数が少ないという背景があります。
ただ、イメージよりも被害が少ないからといって原発で利用されているエネルギーが危険ではないということを意味しているわけではありません。
原子力はかなり危険なエネルギーであり、そこから生じる放射能は間違いなく人体に影響を与えます。
それでも安全性がある程度確保されているのは、原子力を制御できるだけの技術が確立されているからに他なりません。
万が一の時に備えで被害が最小限になるように工夫がされています。
これは、他の発電システムとの比較でより明確になります。
原発被害以外にも他の発電システム被害も客観的にみたい
原発事故が話題になる場合には、他の発電システムによる被害者数は参考にされません。
相対的に見てどういった状況になっているのかを確認することが大切です。
例えば、原子力の代替のエネルギーとして考えられているものに化石燃料を利用した火力発電が存在します。
この石炭などを利用した火力発電では、被害者は出ていないのでしょうか。
実は、石炭火力による被害者は原子力発電の被害者の約4000倍の数値になっています。
そもそも、化石燃料を利用した発電システムは大気汚染が深刻で、原子力の比ではありません。
実際に、大気汚染によって毎年なくなっている人の数は実に700万人にものぼると計算されています。
ですから、実は放射能の被害などよりも発電システムによって生じる大気汚染の方が被害者の数としては深刻であることがわかります。
特に、こういった傾向は日本以外の国家と関連していることが多いです。
中国では最もひどく、中国とアメリカの調査では年間の死者が中国だけの大気汚染で数十万人を超えるという試算が出ています。
環境破壊を行うだけの大気汚染は、当然人体に非常に悪い影響を与えます。
これは、日本国内の大気汚染であっても例外ではありません。
日本国内でも、原発事故を通して火力発電などの化石燃料を利用したシステムに戻そうとする動きがありました。
しかし、こういった動きによって国内の大気が悪くなり、それによって人体に悪影響が出ているという報告も発表されています。
現実的にも、民間の環境団体が発表している声明では日本国内でも大気汚染の影響によって数万人に悪影響が出ているとしています。
このように、原子力や他の発電システムの関連性は事故を含めて客観的に見ていくことが大切です。
その上で、原発への最善の対策を模索することが重要になります。